もしかしたら、あなたは誰かに暴力を振るってしまうことがあるかもしれません。自分自身も、「決してそんなはずではないのに……」という気持ちで、暴力を悔やんでいることでしょう。実は、その原因はあなた自身が悪いわけではないのです。
暴力的な行動に出てしまうアダルトチルドレンは、「暴力は当たり前なのだ」と思うことで自分の心を守ろうとしているといえます。本来は抱きしめられて、愛されて育っていくはずの幼少期に暴力や虐待を受けて育ってしまった場合、子どもはなんとかして親から愛されている理由を探そうとします。
「お父さんは僕のことを愛しているからこそ、『しつけ』として厳しく接しているんだ」
「お母さんが自分をぶつのは、自分が悪いからだ。『当たり前』のことなのだ」
こんな風に子どもなりになんとか自分を納得させて、過酷な環境で壊れようとしている心を守ろうとしている防衛手段だともいえます。しかし、大人になってから、自分に言い聞かせた言葉によって苦しんでしまうことが多い傾向があります。
なぜなら、愛しているはずの配偶者や子どもに暴力を振るってしまうことがあるからです。凄惨な虐待をしていた親が、自分自身も幼少期に同じような虐待を受けていたということがよくあります。